どうして「しあわせのえき」っていうの?【スマイルレール・秋田内陸線】阿仁合駅
日本三大樹氷(アイスモンスター)や花の百名山のひとつで知られる森吉山「阿仁スキー場」への玄関口、阿仁合駅。
秋田内陸線は、県内陸部を縦貫する角館駅〜鷹巣駅間94.2kmのローカル線で、阿仁合駅はそのほぼ中間地点です。
遠くからでも目を引く三角屋根がシンボルであるこの駅舎。
コードアーキテクツさん、納谷建築設計事務所さんとともに、リリーアーキテクツも改修に携わりました。
*このページでは竣工当時(2018年)の写真を掲載しています。
町のシンボルとなっている三角屋根は、北緯40度にちなんだ “4” を背中合わせにしたような作りで、阿仁合駅には「しあわせのえき」という別名がついています。
そして実は、秋田内陸線は「スマイルレール」という愛称があるんです。
訪れる先々で出会う、この土地の人たちが迎えてくれる笑顔はとても印象的。
今回の改修で、トレインビューカウンターを新設しました。
家具は一新しましたが、利用者のみなさんに愛着をもってほしかったので、椅子座面には車両の座席と同じシートを貼ってもらいました。
阿仁合の町からつながっているかのような開放感のあるガラス張りです。
汽車に乗るのが目的でもそうでなくても、地域の方々が出入りしやすく、また乗降客の心が和むような明るいデザインを目指しました。
これらの作品ひとつひとつに、製作に携わった地元製材会社や家具職人たちの、阿仁圏内のにぎわいへの思いが詰まっています。
所在地 北秋田市阿仁銀山字下新町119
建築主 秋田内陸縦貫鉄道
用途 駅舎
設計 コードアーキテクツ、納谷建築設計事務所、高橋リエ子建築設計事務所(現リリーアーキテクツ株式会社)
施工 第一建設工業
敷地面積 879.58m
延床面積 586.53m
竣工 2018年3月
撮影 淺川敏