鵜ノ崎海岸を木で表現!?「やっぱり秋田杉っていいね」を感じられる珈琲店【秋田県男鹿市】

国道101号線、男鹿半島の入り口である男鹿大橋の側にそびえる、大きな2体のなまはげ立像。
とても大きく、見逃すほうが難しいほどのランドマーク。

男鹿総合観光案内所です。

ここに店を構える『アメヤ珈琲 男鹿船越店』、リリーアーキテクツが内装木質化を担当いたしました。
店内へ足を運ぶと目に入ってくるのが、層になっている木のベンチや什器。

写真は竣工当時に撮影したものです
撮影:淺川敏

この重ねられた木材は構造用合板といって、秋田杉の間伐材で作られており、ふしがなく、その美しさが特徴です。

見た目にも美しい構造用合板

本来は構造用として作られるものを、あえて内装材として目に見える場所に持ってきて、観光案内所を訪れる人たちに県の木材産業をアピールしようと狙いをつけました。

そして日の光がたっぷり入る大きな窓と、木の温もりが感じられる開放的な休憩スペース。


実はこのベンチ、全国的にも珍しい遠浅200mの鵜ノ崎海岸から着想を得ました。
(ちなみに鵜ノ崎海岸の浅瀬は、ちょうど今の時期、2月~3月の大潮の干潮のときが最も潮位が低くなるので、全体が観察できるんです!)

注文カウンターで順番が回ってくるのを待つ間にも、目で楽しめる空間に。

海岸で好き好き磯遊びをするように、ここでは自由に場所を見つけて座れるような遊び心あるデザインに。
ただ椅子に座るだけでは済ませず、県内外から男鹿へ遊びに来る利用者が楽しく過ごせる空間にしたかったのです。


ベンチは、腰掛けるだけでなく靴を脱いで上がってくつろぐ人も。
特に子どもにとっては遊び方の発想が無限大で、見ていて楽しいです。
(*お子さまがベンチに上がった場合は、ケガのないよう&まわりの人を驚かせないよう、大人のサポートをお願いしますね)


ベンチは組み替え自由になっており、これにはもう一つの狙いがあります。

男鹿は夏がベストシーズンではありますが、年間を通して訪れてもらえるスペースになるよう何か仕掛けてもらえればと、舞台や什器としても使えるようにしました。

撮影:淺川敏
撮影:淺川敏


アメヤ珈琲男鹿船越店でお出かけの前後の時間をお過ごしいただき、リリーアーキテクツの心を込めた作品も合わせて楽しんでくださいね。

そこで「ああ、やっぱり秋田杉っていいね」とつぶやいていただけたなら、構造用合板を使った作戦は大成功。


男鹿市民のみなさんは、地元がゆえに頻繁に行くことがないかもしれない観光案内所ですが、秋田方面へ向かうときの休憩にお飲み物を。コーヒー豆も買って帰れるので、ご自宅用や手土産などにもぜひどうぞ。

【自家焙煎珈琲専門店アメヤ珈琲 男鹿船越店】
所在地:秋田県男鹿市船越一向207-219(男鹿観光案内所内)
営業時間:10:00 ~ 16:00
駐車場:50台

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